なぜ自主練が必要か
合唱を練習会場の全体練習だけですましている人は少なくないだろう。 しかし、それだけでは各人のレベルアップは遅々たるものである。 結果として団員全体のアンサンブルである合唱部全体のレベルアップも遅々たるものとなる。
そのために必要なのが自主練である。 始めは、全体練習でうまく歌えなかった箇所の復習でよい。 それを次回の練習までに可能な限り直しておく。 毎回、同じ箇所で間違えるようなことはあってはならない。
そもそも自主練は、全体練習よりずっと楽である。 全体練習、特に合唱では、他のパートにつられることが多い。 また、自主練ならば間違えたところで停止もできるし、繰り返すこともできる。 しかし、全体練習の際には自分で好きなところで停止し、納得するまで間違いを修正するのはできないからである。 そこで、自主練が有効となるのである。 「一日、たった15分の自主練でもその効果は抜群」なのである。
自主練のやり方
自主練を行うには、何とかして自分のパートの旋律を確認する必要がある。 それには次のような方法がある。
- ピアノやオルガンなどの鍵盤楽器があると楽であるが、リコーダやハーモニカでも可能である。 ただし、臨時記号が多出するような曲では、鍵盤楽器でないと難しいであろう。 その場合には以下の他の方法を利用する。
- Musescore のような楽譜作成ソフトで再生機能のあるものを利用する。 自分のパートだけを再生したり、合唱にしてみたり、ピアノ伴奏だけにしてみたり、自分のパートだけを消してみたり、色々な条件での練習が可能である。 ただし、印刷物の楽譜しかない場合や、他のソフトで作成されたものでは利用不可能である。 本合唱団ではなるべく Musescore 譜を作成するようにしている。 Musescore 利用法の詳細はここを参照のこと。
- 譜面を楽器なしでドレミで読む。 これが一番、自身の音楽能力を高める。 練習を続けると、歌詞で歌っていても、音符を見ただけで音の高さが頭に浮ぶようになってくる。 また、曲を聞くだけで楽譜を作る耳コピーができるようにもなる。 譜読みの詳細についてはここを参照して欲しいが、 ただし、この方法では他のパートと合わせる練習はできない。 もし、練習中の合唱曲が Youtube などにあれば、それに合せて歌うなどの方法を併用するのがよいかも知れない。
参考のために、黒川和伸氏の Twitter に記載されていた録音によるフィードバックを取り入れた個人練習の仕方を示しておこう。
- 個人による自主練は録音する。
- ピアノで弾いたものを聴きながら、声に出さず心の中で歌ってみる (Musescore やドレミ唱法で覚えた旋律でももちろんよい)
- 適切だと考えられる音色、音高、音量などを思い浮かべる
- 実際に歌って、録音してみる
- 録音を聴いて、2で思い浮かべた音像と3とのギャップを感じる
- 改善する→1に戻る
- 自分で改善出来ないものについては後日指導者の指示を仰ぐ